新型コロナウィルスの感染率について(2020/05/06)

クルーズ船・ダイヤモンドプリンセスでは乗客員3711名中、712名のPCR陽性者がみられた。19%の陽性率である。

一方、別の調査では、船内の共有部分の全域でウィルスの断片が確認された。(※未感染者の部屋では未検出)

二次・三次…的に接触が行われた結果、船内全域にウィルスが広がった事実は驚きである。しかし、そんな環境下でも85%は陰性だったということだ。
これはある意味、明るい意味を持つ。

さて、この陰性者の抗体の有無が気になるところだが、昨今のニュースでの定義を当てはめて、
 ①2999名の3.3%である約100名に抗体が存在する
 ②PCR陽性者の約50倍の人数に抗体が存在する
これは意見の分かれるところだろう。

とはいえ、仮に50%程度に抗体が見られても、残りの50%はウィルスを体内に入れず、手洗いなどで防御が成功したと判断できる。
大規模な抗体検査の実施がニュースとなる中、この2999名に対する抗体検査の実施とデータの公開が切望される。

 

さて、三密でも感染しない人がいるのにお気付きだろうか?
クラスター発生のニュースでも、その場に居合わせながら、何人かは感染していない。(感染とはPCR検査が陽性を意味する)

例えば30名の会合で、30名全員が感染したという話は聞かれない。
感染しない人の人数は、比率的には5名の会合で、内1名ぐらいだろうか。もちろん時間軸を意識すれば、いずれ全員が感染するのは明らかだが、あの密室ダイヤモンドプリンセスですら、夫婦片方しか感染しなかったケースも少なからず存在する。

代表的なクラスターの感染率だが・・・

大阪ライブハウスのクラスタ
  15名/220名(感染率約7%)
 ダイヤモンドプリンセス
  712名/3711名(感染率19%)
 沖縄(4月7日)のクラスタ
  6名/30名(感染率20%)

ことのほか、感染率は低いように思える。この裏には人間の動線(活動範囲)が大いに関係していると言える。

例えばダイヤモンドプリンセスの感染率19%だが、ある一人の感染者が乗客乗員3711名全員に一人づつ濃厚なハグをしたとすれば、このような結果にはならず、感染率はもっと高い値となるはずだ。

逆に、この感染者が船内でのジョギング中に足を捻挫。部屋にこもりっきりとなり、奥さんだけが感染した場合、ダイヤモンドプリンセス全体での感染率は0.04%となる。

つまり、集団の全員に均等に感染機会があるのではなく、どれだけ人数がいようとも、感染は一時的・部分的な濃厚接触により発生している。

ダイヤモンドプリンセスでは、共用部の全てにコロナウィルスの断片が見られた・・という調査結果をみても、一人の感染者から1次、2次、3次・・・的に接触が伝わり、総勢712名まで感染が増えたということである。
代表的なものは、ビュッフェでの不特定多数によるトングの使い回しだ。

そこで、あくまでも仮であるが、5名の会合でも内1名ほどは感染してない印象から、クラスター発生時の最大感染率を80%と定義してみた。
(ここはあくまでも直感・ひらめきである)

(※!1/2=50%、1/3=67%、1/4=75%、1/5=80%、1/6=83%)

(※!2/7=43%、2/8=50%)6名中5名が感染した事例は無い?!

そして、ダイヤモンドプリンセスの感染者712名から逆算した感染母体は890名。

この890名の間で、直接ないし間接的な濃厚接触があり、そのうちの80%に感染が見られた・・・というわけだ。

そして、890名/3711名=24.0% この値をその集団の「接触率」「感染機会率」「遭遇率」と定義する。

 

そこで、神戸市の人口120万人の内、感染者(PCR陽性者)272名(5/6時点)だが、120万人全員に均等に感染の機会があった訳ではない。340名の感染母体があり、その中の80%である272名に感染があったということだ。(※ここに先の「無症状者約25%」は当てはめられない)

そして感染拡大は、この感染母体が活動することにより引き起こされる。 神戸市としての感染機会率は0.028%である。

 

さて、もう一つ、先日、神戸市の医療機関で実施されたコロナウィルス抗体保持者の検査結果がある。

 33名/1000名  (人口の3.3%に感染歴がある)

この結果をそのまま神戸市全体に広げると、神戸市の人口120万人の内、抗体保持者(感染経験者)は3万9千600名というとんでもない数字になる。

この数字の正当性は?

先の感染母体数の計算からすると、100名中、4.1名にハグをしたり、トングを使い回しすれば可能となる値だ。

 見える感染者(PCR陽性者)の影に1/3の潜んだ感染者の存在が・・・から考えれば、362名の感染が最大限界であり、かなり誇大な数字と言える。

これらのシュミレーション結果の成否は、数ヶ月先、数年先を待つしかないだろう。