NHKドラマ「路(ルウ)~台湾エクスプレス〜」(2020/05/17)

昨夜観た、NHKドラマ「路(ルウ)~台湾エクスプレス〜」
第一話

ややつかみどころのないストーリーだと感じたが、個人的に注目しているテーマが相当数盛り込まれており、ドラマの結論はともかく、考えて行かねばならないドラマだったと思う。

先ず、台湾は世界でも珍しく、コロナ騒動の早期に感染拡大を防いだ優等生である。台湾という小さな国が見せた、蔡英文(ツァイ・インウェン)大統領の「素早い決断」「国民の団結力」は、私にとって大きな驚きだっただけに、今回のコロナ騒動にタイミングを合わせたような放送は意識的という気もする。

私の知る現代台湾はかなり限定的で「愛車のMTBがフルサスのGIANT」「SDカードやパソコンの部品」「愛用のスマホ」程度・・・

現在の台湾に付いては、職場に「台湾通」のMさんがいるので、Mさんを経由して、メールなどで現地の声を知ることができる。Mさんは電子部品メーカーの台湾駐在員を経験し、帰国後も20年以上、年2回は台湾を訪れている強者だ。

職場の台湾通のパートさんによると、台湾で道に困っても、必ずと言って良いほど、通りがかりの人が親切に教えてくれるのだという。

 

話題は飛ぶが、NZやオーストラリアで路線バスに乗ると、妊婦さんや赤ん坊を抱いた女性に対する扱いが全く異なることに気付く。

満員バスでも、妊婦さんや赤ん坊を抱いた女性が乗ってくると、瞬時に道が空く・・・
その感覚を、おおよそ日本人は持ち合わせていない。
空を飛ぶ鳥の群れが瞬時に反応し、何かが瞬間的に全体に伝播する感じに似ている。

 

ある年のNZ渡航オークランド空港で国際線から国内線へバスで移動した時のことだ。
ものすごい量の荷物をカートに乗せたマオリのお婆さんがやって来た。サーモンか何か?漁港のセリで使うような発泡スチロールの容器が6箱ほど積まれていた。
呆れて笑いが出るような光景で、なんだかドッキリの仕掛人みたいな感じでもあった。今、思い出すだけでも笑いが込み上げる。

シャトルバスが到着した時、私が最初にお婆さんに駆け寄って一つ目の箱をバスに乗せると、バス待ちの周囲の老若男女、5名ほどが瞬時に反応し、一瞬で積込みが終了した。
下車の際も同様だった。

そして、マオリのお婆さんは軽く「ありがとう」を言った程度で、周囲も、何ら日常・・という雰囲気で平然としている。 

これがコーポレーション(Cooperation・協力)ということだ。
まずは生協(Coop)の語源であり、会社(Corporation)の語源(※)とも聞いたことがある。

このマオリのお婆さんは最初っから周囲をあてにしていたのではない。
日本の場合、社長が荷物を抱えていたら我先に荷物を持つだろう。

※会社(Corporation)の方はやや怪しいと考えているが、旅行・トラベル(Travel)の語源がトラブル(Trouble)だとも聞いたことがあるので、まんざら嘘ではないかもしれない。

 

もう一つ、NZ初渡航で遭遇した鮮烈な出来事を紹介したい。
2002年8月14日、天候不順で各スキー場がクローズしていた関係で、第3日目にしてやっとスキーが出来る段取りとなった。
その日の出来事である。

向かうは、クイーンズタウン近郊のリマーカブルズスキー場。バスで約30分程度の距離だった。

ホテル前からバスに乗り込んで、数日前に到着した空港の脇を通過し、カワラウ川に架かる一方通行の橋を渡り、ダートの山道に入る。ガードレールは無いのだが、幅は広くとても良く整備されており、舗装路と全く変り無かった。
前年まで2回続けて訪問したモンゴルの道とは大変な違いだった。

スキー場まで、もうあと10分もかからないという所に来て、バスは突然、停止した。
前方を見ると渋滞している。そこからスキー場までは3.7km。
車で6分とされている地点だった。

その後、バスは時折、動くも、20分を過ぎても渋滞は解消されない。
一体、何が起ったのか?

そうしているうち、気晴らしのためか?渋滞の車のドライバー達が車から降り始めたように見えた。
(※そういう時もあるが、この時は違った)
そして、他の車のドライバーと歓談を始めたようにも思えた。

「さすが、欧米人は違うなぁ、こんな時でも・・・」

おもむろに一人の男性ドライバーがバスに駆け寄って来てバスの運転手に何かを語りかけ始めた。それは歓談と言うよりはややシリアスな雰囲気で、何か目的がありそうだった。

何かが違う・・・当時はまだ英語がわからず、相方のSAK氏に聞くと、
「この先の道がぬかるんで車がスタックして通れなくなっている。通過制限を設けて1台づつ通過している。通過の際は一気に走り抜けてくれ。」
男性はそう伝えた(・・らしい)

車から降りて歓談を始めたように見えたのは、実は規制箇所からの指示を伝えるための伝言だったのだ。
それは延々、数キロ先から伝言されて来たものだった。

こんな方法で伝言など、日本では到底考えられない。
(ちなみにスキー客だが、世界中から集まって来るので、NZ人というよりは欧米系と考えるべきだろう)

3シーズン前、ちくさ高原スキー場へナイターを滑りに行った際、大雪に遭遇し、スキー場の手前で大渋滞、吹雪の道で数時間、缶詰になったことがあった。

その時は、1時間半ほど経過した頃にスキー場の係員が徒歩でやって来て「大雪で道が狭くなってバスが交差できない。」そんな状況を教えてくれたが、それまでの間、全く状況が把握できなかった。

さて、渋滞の前から指示が伝言で伝わって来た後、約20分ほどかかっただろうか?突然、車列が動き出し、ぬかるんでいた箇所もさほど問題無く、無事にスキー場に着いたのだった。

この日の夜、ホテルに戻って昼間の出来事を整理しようとしたが、どうにも理解できない。
元来、欧米人と言うのは自由気ままで、社会は統率の取れてないものだと考えていた。
ところが・・・である。その後のNZ渡航でも、むしろ日本人の方が海外に来て制御不能となってしまうことが多いのに気付くのだった。

スキー場のリフトの混雑を仕切る係員の話題は以前書いたことがあるが、欧米人は緊急時に集団を統率する際、力を注ぐべきポイントを体感的に理解しているように思う。

対する日本人の我々は何だろう?
「タテ社会」の中の「小グループ」の中の、自分のポジションより格上の人間に対して失礼の無いように・・など、「場の空気」への過敏な程の意識ではないか?

恐らく18年前にNZで経験した出来事も、お客様への失礼・・・などを考えていたらとてもできない。

さて、ドラマ「路(ルウ)~台湾エクスプレス〜」では、なぜか故郷に戻って一人で子供を産むシングルマザーが登場する。
聞くところによると、台湾のシングルマザー率は高いらしい。また、共働き家庭が多く、子供を構う時間が無い家庭も多いということだ。

コロナ問題の当初、大きく浮彫となったシングルマザー問題だが、ドラマに盛り込まれているのは、単なる偶然ではないような気がする。

 

近鉄の行商列車。NZで出会ったマオリのお婆さんは行商ではないが(笑)


日本のセリの風景。
マオリのお婆さん、こんな箱を6個ぐらいカートに乗せて来た(笑)


米国留学した後、日本人の子供を身ごもり、帰国して出産したシングルマザーが登場する。その意図は・・・?


日本人の男?別れた・・・と台詞ではあっさりと。


NZ、クイーンズタウン近郊のリマーカブルススキー場までのダート道。この場所、忘れもしない・・・


一方通行の橋を渡り・・・現在は新しい橋が横に架けられた。


QT空港前・・・見えるはリマーカブルズ山系・・・