絵のうまさ・スキーのうまさ(2021/09/18)

エリザベート-ルイーズ  ヴィジェ-ルブラン

マリーアントワネットのお抱え画家である。当時はまだ女流画家は珍しかったようだが、その卓越した描写力は、単に王妃お抱え画家というだけでなく、なんとなく「勤労夫人」の草分け的存在のようなもの・・と僕は考えている。

当時の画壇では、「女性が歯を見せて笑う自画像」など破廉恥の極みとされ、大変な不評を買ったという・・・そんなところからも、描写に先進性というか信念というか、時代を自力で切り抜けて行った力強さを感じる方である。

14歳で肖像画を描きはじめ、20代で王族の寵愛を受けたエリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン(1755-1842)。30点に及ぶマリー・アントワネット肖像画を制作した後、フランス革命が起きるとすかさず荷造りをし、娘を連れて国を出ました。「ヨーロッパ中の肖像画マーケットを制覇したい」。早くから名声を得、現代的ともいえるキャリア志向をもっていた彼女は、画家としての強い信念と情熱、そして行動力を兼ねそろえていました。気品漂う彼女の作品は、その人物の理想的な姿を生き生きと、そして洗練された筆遣いで描き出しています。


自画像(1790年)
描いているのはマリー・アントワネット


自画像(1800年


ルブランは男性の肖像画も残している。
廃墟の画家として有名な「ユベール・ロベール」


 

さて、本題はスキー技術に関することなのだが、僕がルブランの作品に注目しているのは、その写実性だ。人間は太古の昔より絵を描いてきた。そしてその描写技術は、新たなる画材開発と呼応しながら進歩していった。そこがまさにスキーと同じところ・・・


ラスコー洞窟壁画(後旧石器時代)約2万年前。


ネオとその妻の肖像(西暦60~79年頃)ボンベイ遺跡より発掘
おどろくなかれ、「陰影」に人類が気付き、白という画材が発明されたのが、実はこの頃だったらしい。


そして現代のCGアート(kimidori)もう写真かCGか判別できない出来栄え・・・


初聖体拝領(1896年)
ピカソ1881年~)15歳の時の作品 ・・・


ピカソといえば、「キュビズム
しかし、基礎画力があっての作品群・・・


 

絵画制作における描写力は、正確に描くための「基礎画力」抜きでは考えられない。これは歌を唄う際の「絶対音感・リズム感」にあたるものだと思う。それがスキーの中の「基礎スキー」というジャンルであり、「枯れたスキー」にそのまま当てはまるものだと考えている。

 

 

Schi Heil !!