人生で初めての老眼鏡を購入したのが約2年前。その後、老眼は一気に進み、特に今年に入ってから、見る間に手元が見えなくなってしまった。通常の生活はともかくも、職場で、とある瞬間に老眼鏡を使わなければ、仕事に支障が生じるような状況となっていた。
ところが老眼鏡は、使えばわかるのだが、かけた瞬間に周囲が全く見えなくなる…という致命的な問題があった。
これが事務所や自宅ならともかく…5月2回の佐賀行や6月の沖縄行など、公共機関を使った移動では大問題だった。特に昨今、Eチケットやメール文章、QRコードが普及し、スマホなしでは何もできない。正直、老眼鏡を携行する必要性は増すばかりである。
ここに老眼鏡の携帯方法という問題が発生した。
老眼鏡が必要になるのは、全体の行程のほんの数パーセントに過ぎないのだが、必要な時の使い方というのは、遠くと手元を交互に確認するような場面が多く、手元しか見えない老眼鏡を、どこでどのように取り出すのか?は、かなりの難題であった。
例えば、駅構内を移動しながらスマホアプリを表示・確認し、運行掲示板などと見比べる…といった場面である。老眼鏡をかけた瞬間、周囲は全く見えなくなるので、視線から外す必要がある。掛けっぱなしというわけには行かないので、首にぶら下げるとか頭(おでこ)に乗せるとか…になるのだが、今度は落下や破損・紛失の可能性が出てくる。
実はこういった状況のために、遠近両用メガネがあるのだというが、同級生の声によると、遠近両用は止めといた方がよい…とのこと。実際、この度の老眼鏡購入の際に遠近両用を試してみたが、足元の視界がゆがむので、周囲を見渡す際にめまいが生じた。
慣れだとは言え、駅や空港での移動は危険が伴う。実際、職場の後輩が遠近両用メガネを使用中に階段の下りで転倒し労災となった。
何か良い方法はないか?必要なタイミングで目に掛けておいて、瞬間だけ手元が見えるような…そんな方法ネットで模索したが、全く手掛かり無しの状態が続いていた。
そんな中、光が射したのがとある眼科のサイト…片眼だけ老眼鏡を入れるという方法だった。
これは一般的には、遠近両用眼鏡に慣れる以上に難しい「技」なのだが、幼い頃より右目が近視だった僕は、遠方は左目で、手元は右目で見る癖があった。むしろ左右差を眼鏡で矯正させられ、その眼鏡に馴染めなかったほどである。この方法を試す価値はあった。
そこで今回、左目を遠方に、右目を手元に、それぞれが老眼鏡ながら、このようなセッティングで眼鏡を作ってもらった。
実は近年の老眼進行で、左目は手元は全く見えず、遠方も意識的にピントを合わせないと見えない状態。手元以外の視界は、全て右目でカバーしている状態だった。これは右目にとって、かなり過酷な環境である。
正直、周囲を見渡すには裸眼の方が圧倒的に見やすいのだが、視野の左右分担という意味でも、かなり効果はあるようで、その効果に驚くばかりであった。掛けっぱなしの時間が長ければ長いほど違和感は無くなる。
ただし、妥協すべき点もあり、実家のテレビなど、1.5m付近がセッティングの関係で見難い。1.5m付近を長時間見続けるとかなり目が疲れる。また、自動車の運転時には使用しない方が良さそうである。
老眼鏡と一緒に偏光ではないサングラスも購入。こちらはNZ行でのドライブに活用予定。