2012/03/08 スキー用具の忘れられない思ひ出・・・

G3のバインディング・ウエッジの一件は、スキー用具に関していろいろと考えさせられる出来事であった
ここに、スキー道具に関して特に忘れる事のできない思い出を記述してみたい。
それは今、テレマークで使用しているHEADx80(20000モデル)を使っていた、2001シーズンのことだ。

そのシーズンは、新しくHEAD WC/SLを購入した プレートの費用をケチる為にx80に付いていたプレートをWC/SLに載せ替え、x80はセカンド・スキーとして、雪質の悪い時期や大屋SSの出勤時に使用する予定だった。
x80は、プレート無しのまま、既存のビンディングを取り付けた。もともと、前後一体型のプレート式ビンディングが標準の所に、さらにプレートを咬ませていた プレートを抜いたぐらいが丁度良いのでは・・・と考えてのことだった。

大屋SS出勤の日、x80を持って行ってキッズ相手の講習の際に使用した
午前中の講習が終わり、やがてフリーの時間となった。早速1号リフトを上がって、2号ゲレンデとの合流に向って滑り始めると・・・すぐさま異常を感じた!何かが引っかかっている・・・。
ブレーキ(滑り止め)が降りているのではないか? 驚いて、止まって確かめてみたのだが、何も異常は無い。そのまま1号ゲレンデに移動するが、やはり変だ。

滑っている時だけブレーキが降りているのではないか? そう思って足元を見ながら滑走したが、やはり異常は無い・・・狐につままれたような気分で更にもう1本1号リフトに乗る。やはり変だ。何かが引っかかっている。
とにかく、滑走面に何かが飛び出していて引っかかっているような感じだ。スキーを振り出して横に向けるしか方向を変える術は無い。直滑降すら困難だった。 その日、一日、非常に難儀をしたことが記憶に残っている。

帰宅すると、直ぐにエッジの角度を確認した。チューンナップに出した際の問題では?と考えたが、これも全く、問題は無い。試しにペーパーやすりでテールのエッジを落としてみて、再度、ゲレンデで使用した。しかし、それでもさほど変化も無い・・・。いったいどうしたのだろう?昨シーズン、あんなに重厚な滑りのx80が、こんなに変化してしまうとは・・・

唯一、昨シーズンとの違いは“プレートの存在”だけである・・・。

そこで行きつけのショップで事情を話し、いちかばちか廉価版の薄いプレートを購入して取り付けてみた。さすがに1シーズン落ちのスキーを、そのまま自宅のスキー博物館に眠らせるわけには行かなかったが、一方で、プレートを取り付けても元に戻らなかった時のリスクも大きかった。

その年は4月に入ってからもハチ北スキー場の上部が営業していた。そして、シーズン最後の営業日、プレートを入れたx80をハチ北でテストする機会が巡って来た。これを逃すと、結果は来季に持ち越しである。「大丈夫、きっと直っている・・・」という思いと「ダメだったらどうしよう・・・」という思いが交錯していたことを思い出される。

パラダイスゲレンデまで上がり、ドキドキしながら滑り出した瞬間!元に戻っていることが確信できた!
スキーがスムーズに、流れるように滑っている・・・。これは本当に驚きだった

プレート1枚で元に戻るのも驚きだが、なぜ、プレートが無いとそのような引っ掛かりを感じたのか?そもそもHEAD標準のチロリアの金具である。相性が悪いはずが無い。私の相方だった奈良のSAK氏は、同じx80にプレート無しでセパレート式の金具を取り付けていたが、全く問題は無かったと言う。実に不思議な話である。

それにしても、あのスキーブレーキを下ろしたまま滑っているような感覚、元に戻った瞬間のスキーの走り・・・今でも鮮明に思い出される。


12シーズン前のスキーだが、いまだにテレマーク用具として世話になっている名器である。


さすがにテール部分はボロボロになってしまった・・・


今ではテレマークスキーとして、第5?の人生を送っている最中である。
まだまだこれからがんばってもらわないと・・・


 

Schi Heil !!