◇2012/04/29 長野県:薬師岳(2926.0m)◇
4時半には起床、準備を済ませ、適度に雪が緩むのを待つ。
06:50 スタート。雪は適度に緩んでおり、シール登高ができた。しかし、念のためアイゼンは準備しておいた。
08:40 北ノ俣を登りきる。朝一番は足の爪の調子も良い。快晴なので北ノ俣岳山頂(2662.0m)に移動し、今のうちに周囲の山並みを写真撮影。槍ヶ岳、笠ヶ岳などが近くに見える。テレマーカー5名のグループと遭遇、これから新穂高へ抜けるという。
10:30 太郎平避難小屋。微妙な下りのトラバースの間に、小指以外全ての爪が痛くなり始める。特に親指と中指が痛い。ブーツも心なしかきつく感じる。時間の経過と共に、足のむくみ等も関係しているのかもしれない。
それより気になるのが暑さである・・・飲料水を1.2リットル程度しか準備しておらず、節約しながらの歩行となる。
10:50 薬師峠着。1名のテレマーカーが颯爽と滑り降りて来る。とにかく暑い・・・。飲料水が切れればそこで登山中止である。帰るまで水を持たさねばならない・・・かなり苦しい。先が思いやられる。
11:30 薬師平。雪が緩んで登り難い。爪も痛く、喉も渇いて精神的に一番辛かった。
12:40 薬師岳山荘。雪は緩んでスキーですら沈んでしまう。つぼ足の登山者の深い足跡・・・スキーでも大変なのに、それでも登る登山者の精神力は凄い。
13:20 太郎平小屋の方とすれ違う。小屋で水がもらえるのか聞いた。沸かしたお湯が100円とのことだが、財布を持たねば何にもならない。
13:45 薬師岳山頂到着。なんと7時間近くかかった。滑走準備をしているカップル。雪そり(スカイボード)を持った登山者。薬師カールを登って来るボーダーと山スキーヤーなど。先に登りきったボーダーは女性だった。みんな凄い。太陽に傘が被っているのが気になるところ・・・。
14:30 滑走開始。上部はまずまずの雪質。薬師岳山荘に近付くにつれスキー潜るようになり、また、雪割れに突っ込まないように慎重に滑る。薬師岳山荘でひと休み。ブーツを脱いでインソールを抜いてみる。少しは楽になったが今度は、ホールドが甘くなり、まともに滑ることができない。すぐにインソールを入れ直す。
15:30 薬師峠。山頂で会ったカップルがシールを装着していた。少し挨拶を交す。
15:45 太郎平小屋への軽い下り。足の爪への負担を考えると一番恐ろしい区間だが、指先を丸めるとかなり楽になる。日差しも弱まって気温も下がり、俄然、元気が出てきた。
16:00 太郎平小屋着。せっかくなので中を少しのぞいてみる。携帯がつながるので天気予報を確認してみる。予報はやはり晴れ。
そこに、戻って来たばかりのボードの男性が現れ、しばらく話をする。何でも本日4本滑ったという・・・。世の中には凄い人もいるものだ・・・。
16:15 小屋前を出発。既に、どこかに落ち着いている方が良い・・・とされる時間帯だが、気分は楽。会話をすると疲労の回復も違うのかもしれない。
18:15 北ノ俣を経由し、無事に幕営地に戻る。北ノ俣の斜面はグサグサで滑り降りるのに予想以上に時間が掛かった。帰着後、直ぐに外は暗闇となった。闇の中、黙々と飲料水作りに励む。
食事の後で足の爪をレザーマンのヤスリで短く整える。サバイバル用のレザーマンもこんな事ぐらいしか使う機会が無い・・・。宝の持ち腐れと言った所か・・・。
朝、北ノ俣の大斜面を登高する。
サクサクとエッジも良く効いて登りやすい。
見上げると太陽に重なって北ノ俣岳山頂が見える。結構な大斜面である。
北ノ俣岳山頂(2662.0m)
遠く、笠ケ岳(2897m)が見える。
明日、チャレンジするであろう黒部五郎岳(2839.6m)。
山頂から左手の大斜面を滑ることになるだろう。
太郎平小屋へ向う途中、 2576mピークより滑走する。
有峰湖を見ながらトラバース。
これから登る薬師岳も見えている。
距離感が山陰とは違うので、遠いのか近いのか?
きれいな太郎平小屋の脇を通過。
飲み水を節約して既にバテ気味・・・。
薬師峠の天場。とにかく暑かった・・・。
標高が上がれば涼しくなると信じて進む。
登って来た薬師平を振り返って・・・。
スキー滑走は心地良さそうな斜面である。
薬師岳山荘附近。
雪が緩んで凄いことになっていた。高度が上がれば涼しくなると読んでいたが、読みは見事に外れた。
もうすぐ山頂だ・・・。
山頂到着・・・!
しかし、帰宅後にGoogleEarthでチェックしていた所、ここは山頂ではない事が判明する。
苦労して登っただけにガックリであった。
実は、双子ピークの低い方が薬師岳山頂(2926.0m)である。
先入観もあったのだが、自分の位置より山頂の方が低く見えた。それもそのはず、同地点との標高差約20m、薬師カールの撮影ポイントからたった350m・・・悔やむに悔やみ切れない。
薬師カールを登ってくるボーダーの女性。
すごく滑りやすそうな斜面であるが、体力的・時間的に無理と判断。これが午前中ならそれでも滑っていたのに・・・・。
明日の天気予報は晴れだったはずだが、太陽にリングが・・・。
勘違い山頂からの滑走。とは言え、スキーでの最高到達点からの滑走には違いない。
雪割れに注意しながら慎重に滑る。
太郎平小屋にて。
北ノ俣岳に戻る頃には、曇り空・・・。日暮れも迫り、肌寒くなっていた。
あれだけバテバテだったのに、帰りは快調に戻ることが出来た。実に不思議である。
(気温が下がった事。飲料水の節約をしなくなった事、つま先を丸めて歩けば痛みが少なかった事、登りでつま先に体重が掛からなかった事・・・が原因していると考えられる。)
明日の天候が気になるところ・・・
Schi Heil !!