インライントレーニングで気付いたこと

大抵の日本人は右利きで、右肩が上がっていて背骨が右側弯しているものだ。その影響で、スキーヤーのほとんどが、右足による左ターンが得意で、左足による右ターンが苦手だといえる。ゲレンデでスキーヤーを観察していても、右ターンで雪煙が多く立つスキーヤーがほとんどだ。もちろん私自身も例外でなく、スキーを始めた当初から、左足でのスキー操作に違和感を持ち続けている。
 
これまでいろいろな矯正法を試みてきたが、どれも上手く行っていない。スキーを始めてから24シーズン目を終えた訳だが、この24年間は失敗の連続だった・・・と言っても過言ではないだろう。
 
そこそこ滑れるようになってくるとスキーヤーの多くは<谷回りでの落下>ということを意識するようになると思う。重力に逆らわずに落下に身体を任せていると、谷回りで身体から離れて行ったスキーが、勝手に旋回を始めて自分の懐へと戻って来る。このタイミングで適度にスキーに体重を乗せると、現代のカービングスキーは自動的に切れ上がってターンを終える。
 
これらの操作で、自分の筋力を大きく使ってスキー操作するということはない。
 
ところが、谷回りで自分の身体から離れて行くスキーが、そのまま“さようなら~”してしまう時がある。自分の場合は左足での右ターンでしばしば発生している。そんな時、身体は自動的にバランスを保持しようと働き、本能的にスキーの旋回操作を行う。スキーが急劇に回り、雪煙がパッ!と上がるのでひと目でわかる。
 
この数年間、左足のスキーが“必ず懐に戻って来る”ための解決策を模索し続けているが、やはり有効な解決策は見つかっていない。
 
先日、インラインスケートで軸を意識したトレーニングをした際に気がついたのは、自分の身体が何かバランスを取ろうと一生懸命になっているということだった。

2012/04/07
 八方尾根


2012/05/19
 インライントレーニン


 


 


 


 


 写真は、特徴が良く現れている部分をピックアップしているので、連続写真ではないが、ゲレンデとインライン・・・共に面白いほど共通の特徴が見て取れると思う。
写真の通り、滑りのシルエットは左右非対称となっている訳だが、左足による右ターンの場合は、簡単に言うと“右軸中心”で滑っている。
 
この後の身体の選択肢は2つ、強引に左足を操作して旋回させ、右ターンを終了させるか・・・荷重しきれない左足を諦め、右足により右ターンを終了するか・・・である。
 つまり、私の場合、右ターンは、左足の旋回操作を使うか、右足で滑るのが自然なのだ。
 
大抵のスキーヤーは右ターンが苦手な訳だし、これが自分の身体の特徴と割り切ってしまえば、それはそれで良い。しかし、滑走感覚は極めて不快なのである。
 
GWに薬師・黒部五郎を滑った際の帰り、寺地山からの下りでの滑走では、湿雪とも相まって右ターンのほぼ9割が、スキーが戻って来ない“すっぽ抜け”状態だった。
この時、私はこの時つま先の激痛を和らげるため、指先を丸めて滑っていたのだが、何かしら“すっぽ抜け”現象の原因に関するヒントを得かけていたように思う。そして、帰宅後に何度かインライントレーニングを繰り返すうちにある事に気が付いた。
 
私の左足は、右足に比べ“偏平足気味”・・・であるという事実である。私は健脚な方なので偏平足とはいえないが、左右の足裏を比較した場合、若干ではあるが左足裏のアーチが少ない。ゆえに左足の方がつま先が外側を向きやすい。
 
つまり、足裏のアーチを支える筋肉の面から考えると、午前よりは午後、初日よりは最終日の方が筋肉疲労により偏平足が強く現れる。私はシダスを使用しているが、足が疲れてくると、左足のシダスの土踏まずの出っ張りに違和感を感じるようになるのはそのためだろう。やはり、足裏のアーチを支える筋肉が、右足より左足の方が弱いのである。
 
この事に気が付いてからは、歩き方にも一工夫を加え、内くるぶしの下の筋肉を意識しながら歩くように心がけている。 まぁ、これだけで24シーズンの悩みが全て解決出来るとは思えないが、湿雪での右ターンが少しでも心地良いものになれば・・・と毎日、足裏の筋肉を意識している次第である。
 
Schi Heil !!