スキー場の混み具合①

「愛知のM下君」のブログにスキー場のリフト待ちに関する書き込みがあった。
書き込みの元ネタは最近目にするようになった「青春時代をスキーで楽しんだ世代が親となり、ファミリーでスキー場に来る人が増えている。このファミリー層をターゲットに集客・・・」というニュース記事である。

興味深い内容だったので、スキーバブルからの「スキー人口減」に関して調べてみた。

スキー・スノボ人口の減少でスキー場からリフト待ちが無くなって久しい。
滑る側にすればスキー場が空いているのはうれしい話ではあるが、スキー場にとって来場者数の減少は死活問題である。一説によるとスキー場の来場数はバブル時の1/3にも1/4にも減少しているという。しかし、私の感覚では100人以上並んでいたリフト待ちがゼロになっているのだから、それは1/100・・つまり、もっとスキー場離れは深刻化しているようにも思える。

ところで、私の中に漠然とスキーブームは過去に3回程あったという認識を持っている。1回目は戦前、2回目は昭和30~40年代、そして3回目が平成元年からのスキーバブル期である。

もしかすると、スキーブームは定期的に訪れるものなのかもしれない。では次ぎのブームまで何とかやり過ごせばスキー場の活路は見出せるのだろうか?

考えれば、スキー場の数が昔と今とでは大きく開きがあるのだから、単純にスキーバブルがはじけた・・という理由だけで来場者数の減少を語れないような気もする。

そこで今回、確認の意味も含めて調べてみた。(もちろんネット上での話しなので参考程度ではあるが・・)

まず、スキーブームがこれまでに3回あったのは間違い無いようだ。下記のサイトにその記述がある。

【比良ロープウェイ】戦前、戦後のスキーブームに関して
http://www.8beat.com/ropeway/hira.htm
(各地の老舗スキー場の歴史を調べれば、昭和30~40年代の混雑したゲレンデの写真が見つかるはずだ。)

ではスキー人口とスキー場数はどのような変遷を辿っているのだろう?正確な資料がみつからないが、下記のサイトに凡その見当が付けられる資料があった。

【スキー人口に関する推移について調査】
http://ksoutdoor.net/2011/10/ski_pop.htm
【スキー場ビジネス】
http://www.jif-sport.jp/sb08%2012.13%200719.pdf
【スキー場再建の道】
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~katosemi/semi/4thyPDF/tanaka.pdf


そこで上記のサイトの数字から、昭和57年から平成18年までのスキー・スノボ人口とスキー場数から、スキー場当たりのスキー人口数を「単純な込み具合」と見立てて算出してみた。

イメージ 1すると、単純な比較ではあるが、スキーバブル以前よりもスキー場は空いている・・という結果になった。

また、スキー場の込み具合がピークだった平成4年頃に比べると、平成15年以降は約2/3程に減少しているのがわかった。平成23年のスキー・スノボ人口は更に減少しているから、どこかで聞いた、スキー場の来客数がピーク時の
1/3にも1/4にも減少・・・という話もまんざら間違いではなさそうだ。



では今後、かつてのようなスキー場の盛況振りを取り戻す事は可能なのか?という話になるのだが、昨今、スノースポーツ人口が減少している中にあって、スキー場の数が増えたままさほど変化していないのだから、来場者数のUPというのは大変なチャレンジだということがわかる。

こうなってくると、ゲレンデが空いている・・なんて喜んでもいられない。へたするとスキー場そのものが無くなってしまう可能性だってある。スノースポーツ愛好者はスキー場や用具メーカーからの発信に対して受身でいるだけで良いのだろうか?各個人がスノースポーツの将来について真剣に考えなければ活路は無いように思えた。

なお、
「スキー人口」というのは、「一人がシーズン中に1回以上スキーに行った場合を1」とカウントしているので、本来なら「延べスキー人口」や「場来場者数」で計算すべきだと思うが、資料がみつからない。
上記の試算を、平成22年度に当てはめると「スキー・スノボ人口」1100万人、スキー場数468ヶ所という数字もあり、ピーク時の88%という良好な結果にもなってしまうのだが・・・。


Schi Heil !!