愛されていない子供(2023/11/16)

自宅の大整理の関係で妹とやり取りをしている。妹の望みは「なるべく早い時期での実家の解体」であり、僕側の「形としてある時期まで残したい、利用したい」という意見と真っ向対立している。

そうした中、業者による粗大ゴミ廃棄の準備で実家の整理中に、妹の「子供時代の思い出は全て捨ててしまいたい・消し去りたい…」という心理が見えて来た。

妹は、予てより両親から愛されていない子供だったとの発言を繰り返していた。
そして20代中頃に、半ば家出のような形で実家を出て一人暮らしを始める。若い女性の給料での一人暮らしは、かなり苦しいものだったと推察される。

両親が妹を愛していなかった訳ではないが、父方の従兄に言わせると「てっきり、〇子ちゃんは、叔父さんから勘当されたと思っていた。」というぐらい、不自然に見えていたようだ。

僕もある程度、妹の心理を理解していたつもりだが、この度の大整理で、子供時代の物品が押し入れの奥から出てきたことを伝えると、それ自体が子供時代を思い出させ、陰鬱な気分にさせることがわかった。

かつて、この実家に越して来た5歳頃の話だが、僕は妹が「僕の極めて大切にしている物を全て破壊する」という行動に悩まされていた。潜在的な兄妹不仲・確執の根本原因である。事ある毎に発言される父の「跡取り息子」という言葉に反発。僕への風当たりも強かった。

妹は車が苦手だったので、両親の郷里・佐賀への帰省も、僕だけが付き合わされることも多かった。それが、父のえこひいきに見えることもあったようだ。恐らく、父が別途、妹を連れ出していれば良かったのだろうが…

両親は昭和一桁生まれである。ごく自然な行動だったと思われるが、妹の同級生の両親世代と比較すると、両親の子供に対する態度はかなり異質なものだったかもしれない。

続く