生物とは(2020/05/22)

確か1991年頃だったと思う。生命の成り立ちについて調べた時期があった。
T2ファージはその頃に知ったように思う。
また、「生命」を調べるにあたり、対極に位置する「死」を理解することで「生命」への理解が深まるのでは?とも考えた。

折しも、NHKスペシャル立花隆リポート・臨死体験」が放送されるなど、世間では臓器移植に関連する脳死問題が盛んに議論されていた時期だったと記憶している。

エリザベス・キューブラー・ロス博士が道を開いた「死」に関する研究分野だが、臨死体験者の見た情景が、阿弥陀如来の「来迎図」に酷似しているとされている。
また、「チベット死者の書」に克明に描かれた死後に魂が辿る世界は、臨死体験を研究する西洋諸国の研究者の注目を集めるところだった。

スポーツの経験がある人であれば、一度は「自分の身体は、意志の力だけでは思った通りに動いてくれない」ことを痛感すると思う。
自分の腕を睨みつけて強く念じるだけでは腕は動かない。
もちろん、神経により電気的に接続された筋肉が、脳からの指令により動くのだが、改めて考えれば、自分の身体も物体でしかない。

1984年、環境衛生工学を担当していた古屋仲教授が授業中に面白いことを言った。
「生物とはタンパク質などで構成された物体だが、他の物体(鉱物など)と違い、自らエネルギーを生産し活動することが出来る。」のような意味のことを言った。
自分の考えていたことと重なる古屋仲教授の言葉は、大変な驚きであった。

T2、T4ファージは自ら動くことは無く、また、複製製造のエネルギーは全て大腸菌から得ている。また、大腸菌へ取り付き~DNA注入のプロセスも、狙いをつけて自ら動いているように見えるが、物質が引き合う性質を活用したレセプターの特性によるものだ。
しかし、大腸菌をターゲットに取り付くことが「彼らの意思」だとすれば、また、我々の意思というものも、物理的法則の一種でしかないのかもしれない。


正直なところ、役には立たなかった・・・
書かれた内容が、即、死後の世界や魂の存在を証明するものではなかった。