開く・閉じる(2021/02/16)

ゴルフなどでも動作の結果を「開く」「閉じる」で表現されることがある。ヘッドが開く・閉じる・・・と言ったぐあいである。スキーではあまり使われることのない表現かなと思うが、最近特に、個人的に使う機会が増えた。

というのも、滑りが、内~内=「閉じている(Close)」外~外=「開いている(Open)」・・であるからだ。

 上手く見えるには、山回りで体勢が「開いている」ことが望ましい。いくら上手に滑っても山回りで体勢が「閉じている」と、結果として誤解を招く滑りになってしまう。これはとても「もったいない滑り」・・と言える。僕自身が山回りで「閉じやすい」性質のスキーヤーであり、また、知人スキーヤーでも、もったいない滑りをしている人はとても多い。

もちろん、だからといって山回りで体勢が「閉じてしまう」ことが悪ではない。むしろ、妙な上達意識・価値観に囚われた集団の錯覚(幻影)と表現して良いだろう。

もったいない対策の一つは、スキー上達の過程で「クロッシング」を会得することである。これまで漠然と「クロッシング」と表現して来たのだが、今季についてはその「クロッシング」の理屈が少し見え始めた。 

ゴルフで言うところのレイトヒット(振り遅れ)だが、プロゴルファーになるには必須であり、一種の「ゴルフの壁」と表現できるものである。では、なぜレイトヒットでなければならないのか?どうすれば体得できるのか?・・を的確に解説し、確立した導入法は、わりと広範囲に調べてはいるが、皆無である。

思うにレイトヒットというのは、既存の指導法の範疇で、繰り返し練習する中で自然に習得するもの・・・なのであろう。ある意味、サバイバル戦であり、生き残った者だけが会得する代物ということだ。

スキーの「クロッシング」も同様で、プルークボーゲンの延長で「こうは」ならない。僕はクロッシングの会得が「スキーの壁」だと、2012シーズン頃から考えていた。

指導の過程では、特に小回りにて「上体をフォールライン方向に正対させる」という以外、特に何かがある訳ではない。正対させる理由も、上体の安定が滑りの安定に・・・てな具合で、理論的でもない。そんな環境下でクロッシングを自ら会得した者だけが生存しているのだ。

 さて、その「クロッシング」で判明した理屈であるが、プルークボーゲンの延長で小回りをした場合、確実に体勢は「閉じて」しまう。

スキーに仕事をさせて力を受け流す(上体が固定されて見える・スキーが先に動く)

スキーを人力で回し動かす(上体にやや遅れてスキーが動く・上体の反動でスキーが動く)

 


同じ1本の滑りからであるが、左が「閉じている」、右「開いている」
自分の癖として右ターン(左足)が閉じやすい傾向がある。 


 左が外軸足1本の滑り、右が内足も積極的に使った滑りではあるが・・・左が「閉じて」、右「開いて」いる。