コロナウィルス、全国無症状者数のシュミレーション(2020/05/07)

全国のPCR検査受検者の中で、完全な無症状者の人数は明らかにされていない(軽症者を含んでいるデータは簡単に見つかる)

しかし、クルーズ船・ダイヤモンドプリンセスでは、乗客乗員の全てがPCR検査を受け、その中で完全に無症状で回復した人数が確定している。

 

ただしダイヤモンドプリンセスのデータは、年齢層が60代以上の高齢者に偏っており、感染者における無症状率は低い値が出ていると考えられている。

また、発表されているダイヤモンドプリンセスのデータは2月29日付けが最終であり、下船後に発症した事例が考慮されていない。

そこで、ダイヤモンドプリンセスの偏った年齢別比率を、全国のPCR受検者(感染者とみることができる)の年齢別比率に適合するよう、また、下船後の発症を考慮した値に近くなるよう、手修正でシュミレーションしてみた。

問題点①
世代間の差は、乗客とクルーの差と考えられるが、生活様式が異なる為、その点を考慮で来てない。

問題点②
2月19日時点で、無症状率は約半分とされていたが、それが現在の約18%に落ち込むまでの経緯(世代別の差)が考慮できていない。

そこで、2月19日付けダイヤモンドプリンセスの無症状者率が、ダイヤモンドプリンセス最終の無症状者率約18%まで減少するようシュミレーションし、ここで得られた減少率(2.71)を、シュミレーションし直した全国の無症状者率に被せてみた。

その結果、現状、考え得る全国のPCR検査総数に於ける無症状者の割合は24.6%となった。

 

 見える感染者(PCR陽性者)の影に、1/3の潜んだ感染者の存在が・・・

全国の「無症状率」をシュミレーションするにあたり、ネットで公開されている「年齢別の重症化率」が参考になった。

「無症状率」は「重症化率」の裏返しで、年齢毎に比例している。これはダイヤモンドプリンセスのデータを見ても明らかだ。(※真逆とか、そういう意味ではない)

であるから、ダイヤモンドプリンセスのデータを見れば、自分の年齢層に該当する「無症状率」は直ぐにわかる。

ところが「重症化率」ならいざ知らず、自分の年齢層の「無症状率」だけを知っても意味は無い。

社会全体の「無症状率」がわからなければ・・・

一方、クルーズ船・ダイヤモンドプリンセスのデータは、クルーズ船全体の完璧な「無症状率」が判明している世界的にも類を見ない貴重なデータだ。
ところが、それは実社会の人口バランスとは異なるデータだった。

そのバランスの違いを、各世代毎の「無症状率」はキープしながら、公開されている全国の感染者数の世代バランスに合わせて、手作業で置き替えたものが、今回のシュミレーションというわけ・・・
単にそれだけのことである。

なお、10代までについては、ダイヤモンドプリンセスのデータに3件しか存在せず、今回のシュミレーションから除外した。
10代までのデータが判明し考慮すれば、「無症状率24.6%」は更に大きいな値となるであろう。

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クルーズ船乗員3,711名に対して、3,063回PCR検査が行われ、634名に陽性反応が出ました。そして陽性反応が出た人のうち、検疫期間が終了した2月21日までに、306名の人に発熱や咳あるいは肺炎などの症状が出ましたが、6回の中間集計時に症状がなかった人の総和は320人でした。この320人は、不顕性感染で最後まで症状がなかったグループと、その後症状が出てきたグループの合わさったものです。潜伏期間などから、この中で本当に不顕性感染であった人を推計すると113人になり、PCR検査で陽性であった人の17.9%に充たることが分かりました。
https://www.blog.crn.or.jp/lab/07/33.html