2017/05/29 薬師カール滑走敗退・行き編

【薬師カール滑走敗退・行き編】 

まず、今回の休みは異例中の異例だったということを記述しておく。シフトは乱れて3回変更となった。
最終決定したものを見ると5/29の夜勤明けから3連休+遅番となっており、個人が申請すれば却下を食らうような長期休暇である。しかし、責任者からは、まだ変更があるかもしれないので、絶対に予定は入れない様に!・・と念押しされる。これでは予約の必要な旅は到底不可能である。
そこで思い付いたのが長年の懸案事項、薬師カールの滑走だった。

前回、薬師岳に行ったのは2012年の4月29日である。その時は体力も尽き果て、また時間も押し迫っていた事からカールの滑走を断念していた。薬師岳には東斜面に大規模な氷河地形薬師岳圏谷(カール)群があり、国の特別天然記念物に指定されている。なかでも中央カールは見事で美しく、ここを滑るのは当時からの夢であった。

ところがカールの滑走となると、通常の薬師登頂とは状況が異なって来る。滑って登り返すのに少なくとも1時間は余分に見ておかねばならない。アプローチとしては薬師峠辺りにベースを構え、早朝からアタックをかけることになるはずだ。そうなると神岡新道から北ノ俣岳を経由して薬師峠を目指すには2日みておく必要が出て来る。
ちなみに日帰り用の軽装備で太郎小屋を目指し、1泊して早朝からアタックする方法もあるが、1泊2食付きで9500円、素泊り6000円である。それでも全日程に3日必要なので、今回の休みではギリギリだった。

結局、薬師峠付近にベースを構えるためには、神岡新道側からのアプローチではなく、折立登山口からがベストということになる。
実は、折立登山口までの有峰林道は冬期閉鎖中。加えて有峰林道20kmを歩けば、これまた余分に1日必要となる。そんな状況ではあるが、有峰林道20kmMTBで走破し、折立から薬師岳にアプローチする方法を広めた山スキーヤーが居た。金沢のH氏である。
氏の方法は深夜0時に閉鎖された亀谷ゲートからMTBを使い有峰林道を走破。折立にMTBをデポし、スキーを使って薬師岳山頂を目指し、その日の内に亀谷まで戻るものだった。
累積標高2500m以上、12時間に渡る山行であるが、MTBを使用することで有峰林道の下りが1時間以内で済む様になったということだった。

明けの朝、やや寒い。9時半前に業務終了。月曜にもかかわらず朝礼は異様にあっさりと終了。
10時帰宅。11時半頃、凡そ準備完了。12時15分、自宅出発。

解体中の明舞センター前を通過して、12時34分、永井谷から北神戸線に乗る。快晴で車内が暑い。

唐戸ICから六甲北有料道路へ。13時03分フルーツフラワーパーク前通過。
13時10分頃、中国自動車道。直ぐに舞鶴若狭自動車道へ入る。

13時30分、西紀SAにて最初の休憩。
13時50分頃に春日IC通過。ここから先、運転に付いては初めてとなる。

14時06分、綾部市、私市円山古墳。
14時半頃、日本海が見えるようになって来る。14時46分、小浜市
14時48分、加斗PAにて休憩。15時14分、三方五湖通過。15時半頃敦賀市
15時31分、北陸自動車道へ入る。

15時52分、南条SAにて食事と給油。
 コンビニで野菜ジュース、サンドイッチ、おにぎりを購入。ベンチで食べる。
 福井県に入ると高速脇に麦畑が目立つようになる。六条大麦だとか。

17時19分、尼御前SA。徒歩で岬の先端まで行く。尼御前の像が印象的。戦闘機の爆音が聞こえた。
17時58分、手取川を越える。

18時08分、金沢市。脇の国道の帰宅ラッシュが印象的。
 高層ビルが少なく見通しが良い。県庁の建物がひと際高く、映画ブレードランナーを思わせる。

18時15分、北陸新幹線と交差。富山に入ると屋敷林が目立つようになる。象徴的。

19時立山市に入る。薄暗くなり写真撮影も限界となって来る。
19時05分、立山IC(6360円)
19時21分、最後のコンビニへ到着。昼と同じく野菜ジュース、サンドイッチ、おにぎりを購入。

15分程度で亀谷ゲート到着。途中、有峰林道の開通は6月1日と判明。最悪である。
ゲートの状況確認を行うと、事務所脇から入れることがわかった。冬期、消灯されているトンネル灯などが夜間でも点いている。嫌な予感・・・

直ぐにMTBを組み立てて、ブーツを取り付けてからスキーを固定する。ゲートを越えてMTBを持ち込み、トンネルの途中まで走ってみる。荷のせいか?勾配がきついのか?かなり軽いギヤでないと登れない。また低速ではかなり不安定。

食事の後、仮眠に入る。暑くて窓を開ける。
23時に目が覚める。やや車内も涼しくなる。なかなか2時にならない。

行き編で重要な点を記述しておく。
①まず今回の計画であるが、30日3時、閉鎖された有峰林道・亀谷ゲート(海抜450m)をスタート。MTBで20kmのヒルクライムを行い折立登山口(海抜1360m)まで。
MTBをデポした後、歩きとスキー登高で標高2500mの薬師平を目指して一泊。翌日に備える。
翌31日、薬師平5時スタート。薬師岳登頂の後、東面のカール滑走(標高差約200m)を時間の許す限り行い、雨予報の正午までに下山開始。小雨の中、15時頃までには亀谷の車まで戻る・・というものである。
②今回の長期休暇は私が申請したものでは無く、応援業務(私以外の)と新人研修、スタッフの移動により混乱したシフトの結果による調整によるものだった。かなりのイレギュラーであり、今後、このような都合の良い休暇が発生する可能性は無い。
③今年の有峰林道の夏期開通は6/1だった。事前に調べてはいたが、いまいちはっきりとせず、現場の掲示でやっと判明する。ちなみに自転車の通行料は無料。
冬期閉鎖された林道のゲートを越え、MTBを使って走破するという点に関しては、2003年頃に山スキーML(メーリングリスト)にて賛否両論、真向、意見が対立した経緯がある。
個人的には、料金所の関係者すら寄り付かない冬期。完全に閉鎖されたゲートをくぐって立ち入るのは、あくまでも自己責任の範疇、どうぞ好きにやって下さい・・の世界だと考えている。恐らく料金所の関係者は除雪の完了する頃を見計らってゲートを越えしている山スキーヤーの存在を知っているだろう。しかし、自分たちが寄り付かない時期の行為であるため黙認しているのだと思う。
今回は6/1の開通に向けてゲート関係者の影が感じられる状態だった。私が下山を予定していた5/31には、翌日の開通に合わせて、山菜取りの車でゲート前は長蛇の列となるとの事だ。
これらの状況を考慮し、今回はゲート越えは好ましくないと判断し、計画を中止した。
⑤薬師カールへのアタックを予定していた5/31の午後は崩れる予報となっており、時間との勝負になるのは明白だった。帰宅の翌日の5/31、11時、近隣の立山ライブカメラを確認すると薄曇りだった。



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快晴の中、舞鶴若狭自動車道を行く。
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小浜湾・・・オバマ前米国大統領との縁が有るとか無いとか・・・
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福井・・・
六条大麦の実り、金色に輝きが鮮やか。

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尼御前PAにて休憩。少し歩いてみる。
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日本海の夕暮れ・・・
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断崖・・・
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変わった岩肌だった。
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尼御前岬には、義経逃避行の際、勧進帳で有名な取り締まりの直前、義経の足手まといになる事を憂いた尼僧が岬の崖から身を投じたとの伝説があるとのこと。
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凛とした眼差しの尼御前の像。とてもリアリティがあった。
自然に賽銭が置かれるようになったようだ。
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加賀海岸。
夜間は金沢まで長いんだ、これが・・・
日中の運転は気持ちが良い。

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北陸新幹線・・・
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富山県砺波平野。水田が増え、古くからの住居の周囲に防風林が植えられているが目立つようになる。

【屋敷林】


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立山町に着く頃には日暮れが・・・
遠いわ、やっぱ。

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立山方面に向かう。
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この先に立山があるのか。
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最後のコンビニにて食料調達。
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AM2時半、準備はしたものの・・・
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ゲートは閉鎖なのは良いのだが・・・冬期、消灯されているはずの夜間照明が点灯。
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料金所などの管理棟。
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この間からMTBを運び込む。
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内側はこんな感じ。
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折立登山口まで20kmか・・・
標高差910mのヒルクライムと薬師平まで1140mの登高が待っていたのだが・・・



Schi Heil !!