スキー黎明期からの・平川仁彦氏(2021/09/18)

凄いことが語られている。

特にTOK語録と重複してる箇所が複数あり、驚いた。

ホストの渡辺一樹氏は聞いてるだけで、ほぼほぼ、平川氏の喋りである(笑)しかし、僕はNHKベストスキーのテキストを購入、全て録画しているので違和感は無く、懐かしさすらある。

自然で楽な・・の10年間で何をしようとしていたのか?そのあたりが少し垣間見える話題もある。これには自然で楽な・・の前、1995年版・日本スキー教程までの経緯も考慮する必要がありそうだ。

平川氏の話によると、シュテムターンを省いた「プルークファーレン→→パラレルターン」の流れは、日本が世界の先駆者だったというから、驚きだった。

僕の感じたところによると、「荷重、角付け、回旋」の回旋も省いてやれ・・・ってことで、世界に先駆けてはみたものの、ものの見事に失敗・・・というところだろうか。そこにスキーロボットの教授が居たようである。

いずれにしても、戦前体制の日本政府ではないが、新旧ディスカッションを繰り返した上でスキー教程に反映すべきだったのだろう(ディベート文化)

ベルントやグッキーという手本があれば、また違ったのかもしれない(本国にさっさと帰ったかもしれんが)

2:33・・(10年ほど前?)SJ誌のオレゴンキャンプで渡辺一樹氏と一緒に滑った。その時、岡部哲也氏も居た。
4:55・・最近の技術選トップ、我々の時代とは違う次元で滑っている。高速下での繊細な身のこなしを行っている(求められている?)
6:13・・レーサーとは違う一般スキーヤーから発した基礎スキーというジャンルだが、技術傾向が先鋭化・先端化している。
6:26・・技術選のトップレベルのスキーヤーの技能(技術ではなく)はアルペンWCレーサーに遜色ないレベルまで来ている
7:55・・基礎スキーは、日本人の嗜好(思考)に、マッチングした形で技術を扱う方向で深入りして(煮詰まって)来た→それは今日世界に広がりを見せている。
8:58・・(トップスキーヤーの技能・技術が先鋭化し過ぎて)一般スキーヤーの目標たる滑りが見えてこない
10:00・・年配スキーヤーでも先鋭的技能を求めることが多い。これを継続型スキー思考(嗜好)に変えたい
12:12・・(平川氏としては)技術をもう一度、本当のものを見つけたい
12:12・・五輪競技、ボルダリングの野口啓代さんも「本当のボルダリングを教えたい」と言っている。
12:50・・(野口さん)プレイヤーであるが故に、本当でないボルダリングの世界が広がってしまったのではないか?
13:40・・スポーツ技術習得のスタイルとして、ごく一般的に「形から入る」という方法がある。
14:05・・基礎の世界では「形態模写は悪」とする時代があった。今また見直されてきている。
14:58・・(ところが一般スキーヤーが)誰をコピーしたらよいのか?今は言えなくなってしまった(トップが先鋭化し過ぎて)
15:46・・これまで主流だったカリキュラムワーク(解析された技術論)に加え、フィールドワーク(体験学習的)増やして行く。
16:22・・カリキュラムワーク、フィールドワークの双方が必要。
18:47・・カービングスキーの登場で大失敗した。回旋は不要とやってしまった。
19:05・・中庸が大切。
20:33・・現在の技術選は、一般スキーヤーに危ない課題を多く提供している。
21:11・・(選手は多方面に技術吸収しており、良い傾向にあるが)技術選で選手が技術・技能を発表するシチュエーションを、緻密に考える必要がある。
21:20・・選手に悲壮感の漂う条件(半分転倒など)は良くない
22:20・・(平川氏が)交互踏み替えの技術を抜かした(飛ばした)指導法を確立(プルークターン・仮想プルーク)
22:55・・スキー黎明期の世代、彼らは自己流でスキーを学んだ。
23:28・・オーストリースキーが入って来た頃は完全なコピー。ところが何のためにそれをやるのか?わかってなかった。形をまねる(様式美の世界?)
24:05・・平川氏の時代、様式美からスピードの追及。
24:23・・パラレルターンの一スキーヤーへの平準化を目的とした。
25:13・・野沢のインタースキーでカービングスキーを使用した国が出始めた。
25:28・・(カービングスキー登場の直前)切替時の抜重要素を極力無くす方向で世界のスキーが一致をみた。
26:17・・(日本は)初心者の、最初からパラレルを目指す指導法を考えた。
28:03・・パラレル指導法として、シュテムなどの踏み替えが消えた(消滅したわけではない)
29:55・・プルークターン。プルークのスタンスは出ているが、運動要素はパラレルターン。
30:22・・91年サンアントン・インタースキーでプルークターン指導法を日本が発表。理解してもらえなかった(渡辺)
30:43・・野沢インタースキーで(プルークターン指導法が)形になった(渡辺)
30:50・・スキーがまだノーマルの時代。プルークターンは難しかったように思う(渡辺)
31:15・・野沢インタースキーの後にカービングスキーが登場し、よりプルークターン指導法が理に適なったものとなった。
31:45・・(失敗)皆で議論して答えを出すべきだった(ディベート文化が無い?)
33:28・・(情報交換)インタースキーの在り方が変わって来た(ネット動画など)
36:40・・年配者がスキーを習うことはなくなった(教える内容の変化)
36:45・・スキー教師の役割、エスコート、コンシェルジュ
37:18・・旧態依然の連名のスキー教師養成法では、現代にマッチングしなくなっている。
37:54・・スキー教師は、スキー場を合理的に管理(ファシリティー)し、大衆サービスを行う方向の中での「スキー指導の専門家」という位置付け。
37:53・・組織がそのようなスキー教師を養成するまで待っていてはダメ。既に我々はそれを行っている。
38:25・・欧米ではとっくにそのようになっている。
38:30・・インターネットの普及でインタースキーの意義・価値観が下がってしまった。
40:05・・意のある人たちに思いを語って一緒に滑って(交流を行うことにより)自分達のスキーを伝えて行く。それが必ず新しい人達にインパクトを与えて行くはず
40:55・・注目のスキーヤー、生き様・背中を見せている点では、断トツで渡辺一樹
42:50・・基礎スキーは特殊な分野。
43:39・・技術選の選手のフリースキーの方が、技術選よりも圧倒的に内包するテクニックを見て取ることができる
44:03・・上手いと言えるスキーヤーに共通する点は?
44:20・・圧変化がフラットである。
44:25・・抵抗感無く、川の流れのよう、キャニオニング的な滑りが見られる。
45:35・・圧を加える・抜く、だけの力の使い方ではない。小林平康、黒菱の滑り「足首をヒュッて吊上げます」レッグカール・引き締め。逆向きの反動を押さえる。
46:52・・(身体を引き締める動作)動態バランスを取る上で圧倒的に有利。
47:25・・働きかけた運動には必ず真逆の作用が起こる。逆向きの反動をまともに受けず、違うところに上手く運んでいる(受け流している)スキーヤーが上手い
48:48・・荷重・回旋・角付け、は常に一緒。切り離してはダメ。
49:05・・反動をどの方向にリリースするか?反作用を次々と次のエリアに運んで行ける身のこなしをしているスキーヤーが上手い(クロッシング?)
49:24・・一般スキーヤーでもそれが見える瞬間がある。

 

 

Schi Heil !!